安全運転アドバイス4

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体調が悪いときに運転すると、注意力が低下したり動作が緩慢になって事故につながる危険性が高まります。体調を悪くさせる大きな要因として、疲労や睡眠不足が挙げられます。特に、暑い時期は疲労や睡眠不足に陥りやすくなります。そこで今回は、疲労や睡眠不足を中心に体調管理のポイントをまとめてみました。

1.疲労や睡眠不足が運転に与える影響

(1)疲労は漫然運転を招きやすい
疲労状態で運転すると、集中力や注意力が薄れたり、持続力がなくなって「漫然運転」に陥り、危険の発見が遅れがちになります。また、運転操作が緩慢になったり雑になって、適正なハンドルやブレーキ操作を阻害します。しかも、疲労時は反応が鈍くなるため、危険を認知して判断するまでに時間がかかり「空走距離」(危険を感じてからブレーキを踏み、ブレーキが実際にきき始めるまでの間に車が走る距離)が長くなり、追突事故を起こす危険性が高まります。さらに、疲労の影響は「目」に最も強くあらわれるといわれています(交通の方法に関する教則第4章第5節1-(2))。そのため、運転にとって重要な「見る」ことの正確さが失われ、見落としや見誤りが増えるおそれがあります。
(2)睡眠不足は「居眠り運転」につながりやすい
睡眠不足は、「漫然運転」に陥る危険性が増大するだけでなく、最悪の場合は「居眠り運転」をもたらし重大事故につながるおそれがあります。「健康づくりのための睡眠指針2014」(平成26年3月厚生労働省健康局)によれば、睡眠時間が6時間未満の者では、7時間の者と比べて、居眠り運転の頻度が高いことや、交通事故を起こした運転者で、夜間睡眠が6時間未満の場合に追突事故や自損事故の頻度が高いことなどの研究結果が示されています。 また、睡眠不足が続くと、疲労が蓄積されるだけでなく、高血圧や心筋梗塞といったリスクも大きくなると言われており、「健康起因事故(運転中に心疾患や脳疾患などに襲われるなど健康状態に起因する事故)」の引き金となるおそれがあるとされています。

2.体調管理のポイント

(1)日常の体調管理のポイント
睡眠不足や疲労を防ぎ良好な体調を維持していくために、日常生活においては特に次の点を心がけましょう。
①毎日同じ時間に、6~7時間の連続した睡眠時間をとりましょう。
②スマートフォンなどから出る「ブルーライト」や就寝前の飲酒は、睡眠の質を下げると言われています。就寝前のスマートフォンなどの使用や飲酒はできるだけ控えましょう。
③健康維持に運動は欠かせませんが、過度な運動は疲労の要因となりますから控えましょう。
(2)走行時の体調管理のポイント
走行中に体調不良を感じたときは、かなり危険な状態ですから、ただちに安全な場所に停止して休憩をとる必要がありますが、大切なことは、走行中の体調不良を未然に防ぐということです。そのために、特に次の点を心がけましょう。
①道路交通法第66条において、過労、疾病、薬物の影響等で正常な運転ができないおそれがあるときは運転してはならないことが定められています。疲れや風邪などで体調が万全でないときは運転を控えましょう。
②行楽ドライブなど長時間の運転をするときは、あらかじめ休憩時間や場所を盛り込んだ余裕のある走行計画を立てましょう。
③疲れたから休憩をとるのではなく、疲れる前に休憩をとるという考え方に立って、走行計画に基づいて、休憩場所では疲れていない場合でもきちんと休憩をとり、体操するなどして身体を動かしましょう。
④追越しや対向車の直前の右折などの無謀な運転は、強い緊張を伴い疲労の要因になると言われていますからやめましょう。

熱中症の予防
車内にいても、渋滞に巻き込まれたときなどは熱中症にかかるおそれがあります。エアコンがあるからといって安心はせず、こまめに水分を補給するようにしましょう。また、マスクを着用して運転する場合は、より一層の水分の補給を心がけましょう。なお、眼鏡をかけている場合は、マスク着用により眼鏡が曇ることがありますから、その点にも注意しましょう。